全国のサッカースクール・クラブ・フットサル施設検索

【ジュニアサッカー】「落ち着いてトラップしろ!」が逆効果な理由。足元でボールが暴れてすぐ奪われるあの子が、ピタッと吸い付くコントロールを手に入れた「おへその向き」

【ジュニアサッカー】「落ち着いてトラップしろ!」が逆効果な理由。足元でボールが暴れてすぐ奪われるあの子が、ピタッと吸い付くコントロールを手に入れた「おへその向き」
この記事の要点
  • トラップが大きくなる子の多くは、「ボールを止めよう」と意識しすぎて足首や膝がガチガチに力み、壁のように跳ね返してしまうことが原因。
  • ボールを足元に止めるのではなく、次にパスやドリブルを出したい方向へ「おへその向き」をあらかじめセットしておく。
  • リビングや玄関で「山なりのクッションボールを音を立てずに足元に収める」遊びを1日3分繰り返すだけで、脱力した柔らかなファーストタッチが身につく。

週末の夕暮れ、グラウンド脇の駐車場。
スパイクを脱ぎながら、助手席でうつむいて小さくなっていた男の子がいました。

「試合中、味方からパスが来るたびにボールが足元で大きく弾んでしまって……。すぐに相手に詰められて奪われてしまうんです。ベンチからも『落ち着いてトラップしろ!』『ちゃんとボールを見ろ!』って怒鳴られて、最後はパスをもらうこと自体が怖くなっちゃったみたいで……」
運転席でお父さんが、悔しさとやるせなさが入り混じった表情で私に打ち明けてくれました。

その子は、チームの中でも誰より真面目に自主練を重ねていた子です。公園で毎日壁当てをして、リフティングも一生懸命練習していました。なのに、なぜ試合になると足元でボールが激しく暴れてしまうのでしょうか。
その原因は、「落ち着きがないから」でも「技術が足りないから」でもありませんでした。むしろ、真面目で素直な子だからこそ陥ってしまう「身体の力み」と「ボールへの意識の向け方」にあったのです。

真面目な子ほどボールを弾いてしまう「カチカチの壁」

「落ち着いて止めろ!」と言われた子は、どう身体を動かすでしょうか。
「絶対にミスしちゃいけない」「ボールをしっかり見て止めなきゃ」と緊張し、飛んでくるボールをじっと凝視します。そして、ボールが足元に届く瞬間、無意識に足首や膝の関節をガチガチに固めて、ボールに向かって足をグッと突き出してしまうのです。

固いコンクリートの壁にボールを投げたら、勢いよく跳ね返ってきますよね。
あの子の足元で起きていたのも、まったく同じ現象でした。一生懸命止めようとすればするほど、足首がカチカチの壁のようになってしまい、味方のパスの勢いをそのまま跳ね返してしまっていたのです。
さらに、足元のボールだけを凝視しているため、周りから突進してくる相手ディフェンダーの影が視界に入らず、「急に敵が目の前に現れた!」とパニックになり、ますます身体が強張るという悪循環に陥っていました。

「止める」のをやめて、次の場所へ「おへそ」を向けよう

それに気づいた私は、平日の練習のあと、その子とお父さんにこんなアドバイスをしました。
「まずね、『ボールをピタッと止める』っていう考えを一度捨ててみようか」

一流のプロサッカー選手を見ても、ボールをその場に完全に静止させている場面はほとんどありません。彼らはボールを止めているのではなく、「次に進みたい方向」へ、ボールの勢いをやさしく逃がしながら運んでいるのです。
そこで意識してもらったのが、たった2つのポイントでした。

① ボールを迎えるのではなく、ボールの勢いを「吸い込む」
足の甲やインサイドを壁にするのではなく、ふかふかのクッションのように、当たる瞬間に少しだけ足を引いてボールの威力を吸収する感覚です。「ポンッ」と音を立てるのではなく、「ふわり」と無音で足元に落とすイメージを持ってもらいました。

② パスが来る前に「おへそ」を次の進行方向へ向けておく
ボールをトラップしてから周りを見て身体の向きを変えようとするから、時間がかかって相手に追いつかれます。パスを出した味方に対して真正面を向くのではなく、斜め半身に構え、自分の「おへそ」を最初から前や横のスペースへ向けておく。これだけで、足首を固めることなく、進みたい方向へ自然とボールが吸い付くように流れていくようになります。

リビングで1日3分!親子でできる「無音キャッチ」遊び

お父さんには、家の中でできる簡単な遊びを提案しました。
狭いリビングや廊下で、親が座った状態から手でふわっと山なりの柔らかいボール(ゴムボールやクッションボール)をお子さんの足元へ投げてあげる練習です。

ルールは一つだけ。
「床や足に当たるときに、絶対に音を立てちゃダメだよゲーム」です。
「音を立てないようにしよう」と意識するだけで、子どもは自然と足首の力を抜き、膝をやわらかく曲げて、卵を受け止めるようにふわりとボールを足元に収めるようになります。
「おお、今のは完全に無音だった!プロみたい!」とお父さんが笑顔で褒めると、あの子の表情からプレッシャーが消え、どんどん足元のタッチが柔らかくなっていきました。

次の公式戦、相手のプレッシャーをひらりとかわした瞬間

2週間後の公式戦。ピッチに立つあの子の姿には、以前のような力みがありませんでした。

中盤で味方から強い縦パスが入った瞬間、相手の屈強なディフェンダーが猛スピードで背後から寄せてきました。
以前なら慌ててボールを弾き、奪われていたような場面です。
しかしあの子は、ボールが届く前にあらかじめおへそを前へ向け、寄せてくる相手の勢いを利用するように、左足のインサイドでボールの勢いを優しく吸い込みながら、前方のスペースへスッと流したのです。

突っ込んできたディフェンダーは空を切り、前を向いたあの子はそのまま右サイドを駆け上がる味方へ、完璧なスルーパスを通しました。
ベンチのコーチ陣からも「ナイスファーストタッチ!」と大きな歓声が上がり、ベンチ脇で応援していたお父さんは、両手を突き上げて満面の笑みを浮かべていました。

「落ち着け!」ではなく「やさしく吸い込んでごらん」

ボールが足元で暴れてしまうとき、子ども自身が「どうして上手く止まらないんだろう」と一番焦っています。
そんなとき、グラウンドの外から「落ち着け!」と叫んでも、子どもは余計に緊張して身体を固めてしまうだけです。

「止めようとしなくていいよ。やさしくクッションみたいに吸い込んでごらん」
「次に行きたい方向におへそを向けておこうね」
大人がそんな具体的なアドバイスと安心感を手渡してあげるだけで、子どもの足元は魔法がかかったように柔らかくなります。
足元にピタッとボールが吸い付いたときの、あの何とも言えない心地よい感覚。それを一度身体が覚えたら、サッカーはもっともっと楽しくなるはずです。

sports_soccer サッカースクール・チーム探し

お子様にぴったりのサッカースクールを今すぐ見つけよう!

プレグラなら、全国のサッカースクールから「幼児・U-6」「初心者歓迎」「送迎バスあり」などこだわりの条件でお近くの教室をカンタン検索・無料体験のお申込みができます。

search地域・条件からスクールを探す homeプレグラトップへ
プレグラマガジン編集部
執筆・監修 プレグラマガジン編集部

日本最大級のサッカースクール・クラブ検索サイト「プレグラ」運営事務局。全国1,000以上のサッカースクール・少年サッカークラブの取材情報や指導者インタビュー、保護者のリアルな口コミをもとに、お子様の習い事選びやサッカー上達に本当に役立つ確かな情報を厳選してお届けしています。

この記事をシェアする

プレグラ公式SNSで最新情報をチェック!