サッカーを観戦でよく聞くDOGSO(ドグソ)ってどんな意味？

2025.03.07

Jリーグ, プロサッカー, 豆知識

サッカーの中継などを観戦していると、時々耳にする『DOGSO』というワード。
これが何を示す言葉なのか、知っていますか？

今回はそんな『DOGSO』について、まとめてみました！

DOGSO（ドグソ）とは

DOGSOとは『Denying an Obvious Goal Scoring Opportunity』を略したもので『決定的な得点機会の阻止』という意味になります。。

Denying（阻止する)
Obvious (決定的な)
Goal Scoring (得点する)
Opportunity (機会)

DOGSOの条件を満たした状態での決定機を阻止した反則を行った場合、反則した選手は原則レッドカード=退場処分となります。

　このDOGSOという言葉が生まれたのは1990年。
当時、相手チームの得点機会を妨害、阻止するための意図的なファウルが増えてきたことから、1990年のイタリアワールドカップからそういった決定的な得点機会を阻止したファウルに対する規定が設けられました。

　その後、2007年に『決定的な得点の機会の阻止』という項目が独立。
2018年には日本サッカー競技規則にDOGSOという言葉が記載されました。

そしてVAR(説明記事はこちら→【サッカー】VAR(ビデオアシスタントレフェリー)ってなに？)の導入によって、レフェリーの主観だけでなく、映像での確認できるようになりました。

これにより、一般的にもDOGSOが適応されるか、否かを話題にする機会が増え、耳にする機会も増えたという訳です。

DOGSOの4つの条件

DOGSOに該当するファウルかどうかを判断する条件は、次の4条件を全て満たした場合となります。

主審の裁量や該当するプレーの状況により多少の差はあるものの、4条件を全て満たしていた場合には原則的に退場処分となります。。

逆に言えば、4つの条件の中で1つでも当てはまらない条件がある際には『決定的な得点の機会の阻止』にはならず、DOGSOにもなりません。

それではDOGSOにはどのような条件があるのでしょうか？

1.反則とゴールの距離

反則を犯した場所とゴールの距離が近い場合は、DOGSOの条件を満たすと判断されます。

とはいえ、明確な距離の基準がある訳ではなく、あくまでも目安としての基準となりますが、ペナルティエリア内からペナルティエリア付近(ゴールから約25m以内)が基準となります。

反則の状況によっては、ペナルティエリアから離れた位置でも、DOGSOが適用される場合もございます。
例：ハーフウェーライン付近にて、GKとの1vs1となることが想定される場面での反則

2.プレー全体が相手ゴールに向かっているかどうか

攻撃側のプレーがゴール方向に向かっていることが、DOGSOの条件を満たすと判断されます。
例えば、ポストプレーなどで攻撃側がゴールに背を向けた状態でのファウルは得点機会の阻止とは判断されずに、この条件には当てはまりません。

ただし、すべてを身体の向きで判断するのではなく、ゴール方向にプレーが向かっていると判断されれば、DOGSOの条件を満たされたと判断されることもあります。
例：相手GKをドリブルで抜こうと一時的に身体が横に向くプレー

3.守備側競技者の位置と数

守備側競技者の位置と数もDOGSOの重要な条件です。

ファールした守備側の選手以外に、カバーできる選手がいるか否かが一つの指標です。

カバーできる選手がいれば、DOGSOの条件は満たされない可能性は高くなります。
仮にカバー可能な選手がいたとしても、プレーに関与できる動きをしていなければ、DOGSOの条件を満たしていると判断されます。
※他の守備側の選手カバーが出来るのであれば『決定的な得点の機会』にはならないため

4.ボールをキープできる、またはコントロール出来る可能性

ファウルがなければ攻撃側がボールをキープ、またはコントロールできる可能性があった時も、決定機とみなされDOGSOの条件を満たしていると判断されます。

トラップミスなどでボールをコントロールできていない、パスが上手くつながらずボールに追いつけない状態などは、決定機とはならない可能性が高いため、DOGSOと判断されることはありません。

DOGSOの罰則は？

DOGSOの条件を満たした反則は原則としてレッドカード=退場処分となります。

以前は守備側の選手がペナルティーエリア内で『決定的な得点の機会の阻止』をするファウルをした場合、攻撃側チームにPKが与えられるとともに、ファールを犯した選手に退場処分となっていました。

更に退場となると、殆どのリーグ戦、カップ戦は次の試合が出場停止となります。
このように『PK』『退場』『次節出場停止』の3つの罰則が与えられることは、『三重罰』と呼ばれています。

しかし、PKによって実質的に得点の機会が相手チームに与えられ、その上で退場・次節出場停止は厳しすぎるという意見もあり、現在は退場が警告に軽減されています。
これにより、相手チームにPKは与えられるものの、選手は減ることなく11人対11人のまま戦うことができ、警告なので出場停止にもならないという軽減措置になっています。